青色申告に必要な帳簿と記帳(一般的な複式簿記)
正規の簿記の原則(複式簿記)による記帳
一般的な複式簿記による会計処理・記帳の流れは、次のとおりです。
1.取引発生
2.仕訳(仕訳帳または伝票でも可)
3.元帳記入(総勘定元帳・補助簿)
4.決算・帳簿チェック(試算表)
5.決算書類作成(貸借対照表・損益計算書)
1.取引というのは、実際のお金が動いたときだけでなく、資産・負債・純資産に変動が生じた場合に、取引と認識します。
例えば、今月に売り上げが成立して商品を引き渡し、代金の振り込みは来月という場合。
現金主義の単式簿記では、代金が入ってきた来月に売上を認識しますが、複式簿記では、今月の商品引渡し時に売上を認識し(売掛金を計上し)、来月の代金回収時に売掛金を消滅させて入金があったというように、一つの売上に対し、商品引き渡し時と代金回収時で原則2回取引を認識します。
2.仕訳というのは、1.の取引について借方/貸方に分解し、それぞれ何の科目にいくら変動が生じたかを記録するものです。
3.元帳記入とは、仕訳の結果を総勘定元帳の各勘定科目に記帳し、必要な補足情報を記録しておく補助簿にも記帳することです。
4.試算表は、月末(月締め)や年度決算に際し、総勘定元帳の各勘定科目の借方金額と貸方金額の総合計が一致するかなど、帳簿の記帳に誤りがないかをチェックするための帳票です。
5.決算では、年度決算特有の手続き(在庫の棚卸しと売上原価計算、固定資産の減価償却など)をおこなった上で、貸借対照表や損益計算書を作成するものです。
仕訳帳
仕訳帳は、全ての取引の勘定科目を決めるとともに、借方及び貸方に仕訳するための帳簿であり、取引の発生順に取引年月日、内容、勘定科目及び金額を記載します。
例えば、1万円の商品を販売し、代金は翌月末回収としたならば、
(借方)売掛金 10,000 (貸方)売上 10,000
というように、各取引ごとに、借方/貸方それぞれの勘定科目を決め、金額を記載します。
総勘定元帳
総勘定元帳は、全ての取引を勘定科目の種類別に分類して整理及び計算する帳簿であり、勘定科目ごとに記載の年月日、相手方の勘定科目及び金額を記載します。
仕訳と違って取引ごとではなく、勘定科目単位の口座に記載します。「相手方の勘定科目」とは、仕訳時の相手科目のことです。
ところで、2.の仕訳帳と3.の総勘定元帳を主要簿と呼びます。複式簿記ではなくてはならない必須の帳簿です。
では、3.の補助簿とは?
主要簿
1.仕訳帳
2.総勘定元帳
補助簿
1.補助記入帳
(1)現金出納帳
(2)当座預金出納帳
(3)小口現金出納帳
(4)売上帳
(5)仕入帳
(6)受取手形記入帳
(7)支払手形記入帳
2.補助元帳
(8)商品有高帳
(9)売掛金元帳
(10)買掛金元帳
(11)固定資産台帳
「げ!こんなにいっぱいあるのか?」とうんざりして青色申告をあきらめそうになったあなた。11種類の補助簿全てをつけないといけないわけでもありません。
例えば、手形を扱っていないならば、(6)(7)は不要です。
同様に、当座預金や小口現金の扱いがなければ(2)(3)も不要です。
事業用の固定資産を保有していなければ、(11)も不要です。
というように、事業の形態に即して、必要な補助簿だけ作成、記帳すればいいんです。
ちなみに、「補助記入帳」と「補助元帳」の意味や違いは、気にしなくて平気です。