青色申告に必要な会計処理(簡易帳簿による記帳)

簡易帳簿による記帳

簡易帳簿の種類については、行う業務の内容により異なりますが、標準的な簡易帳簿の種類は次のとおりです。
(1)現金出納帳 (2)売掛帳 (3)買掛帳 (4)経費帳 (5)固定資産台帳

「行う業務の内容により異なる」とは、例えば、現金商売で代金の後日回収がない事業であれば、「売掛帳」は不要になります。同様に、事業用に固定資産を保有していなければ、「固定資産台帳」は不要です。

ただし、上記5つの簡易帳簿だけでは、最高65万円の青色申告特別控除の適用は受けられません(最高10万円の青色申告特別控除は受けられます)。
上記5つの簡易帳簿に加えて「債権債務等記入帳」を備え付け、全ての取引を整然と記録する場合には、正規の簿記の原則に従った記帳として、最高65万円の青色申告特別控除の適用を受けることができます。債権債務等記入帳には、例えば、預金出納帳や受取手形記入帳などがあります。

「65万円控除」を受けるには、(1)~(5)の簡易帳簿に加えて、「債権債務等記入帳」という帳簿を一つ加えればいいのか、と思いきや、債権債務等記入帳というのは、次の(6)~(10)のことです。
(6)預金出納帳 (7)受取手形記入帳 (8)支払手形記入帳 (9)特定取引仕訳帳 (10)特定勘定元帳
「さらに、もう5種類もつけなきゃいけないの!?」
安心してください。
例えば、手形取引をしなければ、(7)や(8)は不要です。

記帳等の流れを図で示すと次のとおりです。
1.取引発生

2.記帳
■標準的な簡易帳簿
(1)現金出納帳 (2)売掛帳 (3)買掛帳 (4)経費帳 (5)固定資産台帳

■債権債務等記入帳
(6)預金出納帳 (7)受取手形記入帳 (8)支払手形記入帳 (9)特定取引仕訳帳 (10)特定勘定元帳

3.試算表

4.貸借対照表・損益計算書

正規の簿記の原則(複式簿記)による記帳の場合でいう、「仕訳帳」「総勘定元帳」「補助簿」のところが、「標準的な簡易帳簿」(1)~(5)と「債権債務等記入帳」(6)~(10)に置き換わっています。
つまり・・・

(注)この帳簿組織においては、「2.記帳」の帳簿に仕訳帳及び元帳としての機能を持たせることとし、記帳に当たっては、「摘要」欄に相手方の勘定科目を記載するとともに、現金、売掛金、買掛金、預金、受取手形及び支払手形の期末残高については、試算表へ直接転記します。

結局、簡易帳簿+債権債務等記入帳で、正規の複式簿記でいう仕訳帳と元帳と同じ役割を果たしているということです。
例えば、現金出納帳は、現金に関する仕訳と、総勘定元帳における現金勘定の情報が網羅されていることになります。
同様に、売掛帳・買掛帳は掛け取引についての仕訳や、売掛金勘定・買掛金勘定に関する総勘定元帳、及び補助簿の売掛金元帳・買掛金元帳と同等の情報というわけです。
そして、これら現金や売掛金・買掛金のほか、費用や固定資産、預金や手形以外の仕訳や元帳について、(9)特定取引仕訳帳と(10)特定勘定元帳で補完することで、「全ての取引を整然と記録」したことになり、正規の簿記(複式簿記)の仕訳帳・総勘定元帳・補助簿と同じになる、というわけです。

2016/08/06